28.屋久島

鹿児島県の屋久島にある宮之浦岳百名山の中でも中々訪れる機会を作りにくい山である。まず訪れるのに時間がかかることがある。又、雨が多くて土砂降りにでも遭えば予定通りの登山が難しくなる。行程もかなり長いので体力をつけておかなければならない。 宮之浦岳は以前登った関門岳から見えたので親しみを感じていたが意を決して計画しないとなかなか行けそうにない。ところが幸いなことに百名山登山では何度もお世話になっていたベテランご夫婦から一緒に行きませんかとお誘いを受けたのだ。喜んでご一緒させてもらうことにした。

ジェット機で鹿児島まで行き、そこからプロペラ機に乗り換え屋久島まで飛んだ。屋久島に着いた日に有名な屋久島の杉を見にヤクスギランド(屋久杉の自然公園)を訪れた。そこにはどれ一本とっても本州に持ってくれば名木と言われるような威風堂々とした屋久島杉が沢山あって圧倒された。その夜は安房の宿に泊まったのだが夜半から物凄い豪雨が屋根をたたき、やはり翌日の登山は無理なのかと心配になった。

翌朝雨は少々小降りになってきた。屋久島の雨は最初から覚悟の上であったので予定通り出発することになった。屋久島を訪れる多くの登山客は南側の淀川登山口から登り、山中泊をするしないに関わらず再び淀川登山口に下りてくるルートを取る。しかし我々のグループは健脚もそろっていたので初日に宮之浦岳に登り新高塚小屋に泊まって、翌二日目に縄文杉、大王杉、ウイルソン株などの巨木を見ながら木道を下って軌道敷きのトロッコ道を延々と北側の荒川登山口まで歩くことにしたのである。そこで淀川登山口まで送ってもらったタクシーの運転手に翌日反対側の荒川登山口に3時半に来てくれるよう頼んだ。