2010-01-01から1年間の記事一覧

38.日本百名山あれこれ

普通「百名山」と言えば登山家であり文筆家でもあった深田久弥が1964年に随筆「日本百名山」で紹介した百の山を指す。 日本列島の山から品格、歴史、個性を兼ね備え、1500m以下の山も6座選んではいるが比較的標高の高い山と言う基準を設け選定した山々…

37.朝日岳登頂と百名山完登

朝日連峰の登山道入口にある山小屋の「朝陽館」は家内からよく話を聞いていたので一度は泊まってみたいと思っていたところである。 大江町の山奥に位置していて、いかにも隠れた温泉という雰囲気である。 宿の駐車場までのアプローチは舗装路なので車でなん…

36. 99座目の山で勇気ある撤退

利尻山を終えて百名山完登まで残すのは新潟県の飯豊山と山形県の朝日岳の2座になった。既に両方とも登ってしまっていた家内は「どちらも付き合うよ」と言ってくれていたのだが飯豊山には高校同期の山仲間とも一緒に登ろうと約束していた。 結局、99座目の飯…

35.羊蹄山、利尻山と続く

羊蹄山は別名「蝦夷富士」と言われているだけあって富士山を見ているようだ。登山口まで車で行き頂上を目指して歩き始める。天候にも恵まれ快調に歩を進めていると後からマラソン姿で駆け上ってきた人がいる。頂上まで駆け上るのだと言って我々を抜いてその…

34.百名山残り5座となる

笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳縦走を終えた後、未だ登っていなかった比較的近場の会津駒ケ岳(福島県)との至仏山(群馬県)を家内の案内で登り百名山の内95座を終えた。残り5座は北海道の幌尻岳、羊蹄山、利尻山の3山と東北の飯豊山、朝日岳となった。やはり…

33.笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳縦走(2)

翌日も朝食は弁当にしてもらい、薄暗いうちに笠ヶ岳山荘を後にする。暫くして槍ヶ岳の左から出る日の出を見て感激。弓折岳の直前で、我々より1時間以上も後に出発した田中翁に追いつかれた。弓折岳を出発して間もなく雪渓上に雷鳥の親子を発見。槍穂高縦走に…

32.笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳縦走

光岳登山を済ませて間もなく、高校同期の山仲間二人と岐阜県から富山県に連なる北アルプスの笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳を一気に縦走する計画を立てた。3座ともそれぞれが結構厳しい山なので縦走ともなると相当な覚悟がいるのだが友人二人は快く同行してく…

31.光(テカリ)岳に登る

静岡県と長野県にまたがる光岳はテカリ岳と読む。頂上近辺に白く光っている大きな岩があるところから来ている名前だそうだ。 百名山を目指す人にはこの山を最後の方に残す方が多い。残すというよりはなかなか他の山を登ったついでには行きにくい所に位置してい…

30.屋久島(3)

新高塚小屋に泊まった翌日も快晴であったが、私の咳はひどくなるばかりで熱も38度近くにまで上がっていた。これほど体調の悪い状態で山歩きをしたことはそれまで一度も無かった。無事にみんなについていけるか心配であったがこの日は山を下るだけだったのが…

29.屋久島(2)

淀川登山口から登り始めて暫くすると雨が上がって薄日がさしてきた。皆、早速雨具を脱いで軽快な歩みとなってきた。40分も歩くと淀川小屋である。小屋は木造中二階で綺麗に清掃されていたが子供ずれの外人家族が炊飯の準備をしていた。我々も水飲み時間とし…

28.屋久島

鹿児島県の屋久島にある宮之浦岳は百名山の中でも中々訪れる機会を作りにくい山である。まず訪れるのに時間がかかることがある。又、雨が多くて土砂降りにでも遭えば予定通りの登山が難しくなる。行程もかなり長いので体力をつけておかなければならない。 宮…

27.九州の山々(3)

霧島山(きりしまやま)は九州南部の鹿児島県と宮城県県境付近に広がる火山群の総称であり、最高峰の韓国岳(標高1,700m)と、霊峰高千穂峰(標高1,574m)の間や周辺に山々が連なって山塊を成している。 高千穂峰登山口に車を止め登山を始めたのは未だ8時前…

26.九州の山々(2)

国道57号線を走り、阿蘇外輪山からカルデラ盆地の中への下りにかかると、阿蘇五岳が目に飛び込んでくる。やはり雄大な景色であった。高岳、中岳も見える。阿蘇五岳はカルデラの中に再度の噴火によってできた山々である。 阿蘇五岳は高岳、中岳、根子岳、烏帽…

25.九州の山々(1)

九州には鹿児島県屋久島にある宮之浦岳を除いて九州本土に5つの百名山が存在する。その5つだけなら一週間ほどあれば回れそうである。そんなことで11月初旬に家内と飛行機で大分まで行きレンタカーを借りた。 深田久弥が選んだ百名山の中には独立峰でなく連峰…

24. 山で出会った動物達

鳥ほど種類は多くは無いが山歩きの最中に野生の動物に出会うことがある。北海道ではエゾヒグマ、ナキウサギ、キタキツネに出会った。北海道ではキタキツネの体表面や糞などを媒介とするエキノコックス症の感染も問題視されていて山中では人は天然水を飲まな…

23. 山で出会う野鳥

山ではいろいろな鳥に出会う。高校同期の山仲間の一人はバードウオッチングでもベテランである。一緒に山に行くことが多かったので出くわす鳥をいろいろと解説してもらえた。美しい色をしているのに声の悪いカケスを除けば美しい鳴き声の鳥が多い。中でもオ…

22. 山と高山植物

高山植物に全く興味を示さない方も無くは無いが多くの登山者達は美しい高山植物を観察しながらお互いに花の名前を言い当てっこしながら歩いている。山によっても季節によっても、又山の高さによっても見られる花の種類が違ってくるのが平地に咲く花と違うと…

21.谷川岳

谷川岳と聞くと大変きつい山だと思う人が多い筈である。私もその一人であった。世界で一番死者を出していることで有名な一の倉沢の岸壁があるからである。しかしながらロッククライミングを目的とするのでなければむしろ易しい山なのである。土合からロープ…

20.暑さ、寒さとの戦い

かんかん照り、灼熱の太陽の直射日光を浴びながらの登山は我慢ならないし、逆に厳寒下での登山も又辛い。そんな悪条件は避けて登山計画を立てるのが普通である。しかし、予想できない天候の急変によって余儀なく過酷な天候下、山歩きをせざるを得なくなるこ…

19.山で出会う怖いもの、煩わしいもの(3)

落石も下手をすると命取りになる。山を登っているとちょっとした弾みで石を蹴落としてしまうことがある。蹴落とした登山者は即「ラク!」と言って後続の登山者に警告を発することになっているが石に弾みがついて勢いを増して落ちてゆくと大変に危険である。…

18.山で出会う怖いもの、煩わしいもの(2)

次に山蛭である。これは怖いと言うより嫌らしいし、気味が悪い。蛭はどこの山にもいるというわけではないが蛭の多い山があちこちに存在する。有名なのは千葉県の麻綿原高原や丹沢、光岳の登山道などである。たちが悪いのは山を歩いているうちに気がつくと何…

17.山で出会う怖いもの、煩わしいもの(1)

山行で出会う怖いもの、煩わしいもの挙げれば熊、蜂、マムシ、小虫(私は顔にぶんぶんまとわり付いてうるさいので以下ぶんぶん虫と呼ぶことにする)、蛭、笹ダニ、雷、落石、強風、濃霧等であるが、ぶんぶん虫、蛭、笹ダニ以外は命にかかわるので細心の注意…

16.平ヶ岳

平ヶ岳に登る正式なルートは新潟県魚沼市鷹ノ巣からの登山道で、そこから下台倉山〜台倉山〜池ノ岳を経て平ヶ岳山頂にいたるルートである。山頂はなだらかで高層湿原があるのだがそこまでの行程が長い上、山中に山小屋はなく、また道中はキャンプ禁止なので…

15.高妻山

高妻山はまっすぐに頂上を目指さずに遠回りして、さらにアップダウンが続き、最後は相当な急登があるので、百名山の中でも難関の山と評価している人が多い。通常の登山路は 戸隠牧場から入り一不動に始まり、二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵岳、六弥勒、七観…

14.苦労を避けて登った百名山

登頂はしたけれど登山をしていない百名山も幾つかある。自動車、ケーブルカー、リフト等を使えばハイキングのような感覚で1時間もかけずに頂上まで歩ける百名山があるのだ。 高い順に挙げれば乗鞍岳(3026m)、草津白根山(2171m)、剣山(1955m)、霧が…

13.畏敬の念を起こさせる釼岳

ハイシーズンの山小屋は混んで大変である。特にお盆の期間になど訪れようものなら、たたみ一畳に3人も寝かされるような羽目に合う。 こんな場合、上を向いてなど寝られず皆横向きになっていわしの缶詰のようになる。 夜中にトイレになど起きようものなら戻っ…

12.皇海山(すかいさん)

皇海はスカイと読むのだが初めてこの山の名を耳にした時には英語の「Sky」だと思ってずいぶん面白い山があるなと思ったものである。 又、日本三百名山の一つである中央アルプスの越百山(こすもやま)も初めてコスモと言うのを耳にした時には宇宙を表す英語…

11.富士山に登る

標高3000m級の山に挑戦していた時、富士山に登るチャンスは意外に早くやってきた。山中湖にあるとあるリゾートホテルが富士山登山の企画をたて参加者を募っているのを知った。家内は既に登っていたしこの際一つ一人で参加してみるかと思いたった。登山前日…

10. 体力と時間と財力

ある時親しい友人が「百名山を目指すには所詮体力と時間と金がなければ出来ないさ」と言った。まあ、外れてはいないと思うがもう一つ必要なのはやってやろうという強い意志である。次に大事なのは言うまでもなく体力で時間や財力があっても体力がなければ山…

9. 百名山登頂を目指すこととなる

標高3000m以上の21座を踏破した時点で数えてみると既に百名山を30近くも登っている。この時ふと思った。 家内は既に70近くの百名山を登っていたが特に百名山踏破を目指してはいない。既に登っている山でも人に誘われると出かけて行く。どうせ家内のお供で山…