33.笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳縦走(2)

翌日も朝食は弁当にしてもらい、薄暗いうちに笠ヶ岳山荘を後にする。暫くして槍ヶ岳の左から出る日の出を見て感激。弓折岳の直前で、我々より1時間以上も後に出発した田中翁に追いつかれた。弓折岳を出発して間もなく雪渓上に雷鳥の親子を発見。槍穂高縦走に向うという田中さんと別れ、双六岳へのきつい登りを経て昼前に双六岳頂上に立った。中腹にコバイケイソウの大群落。そこから三俣蓮華岳を通過して石ごろごろの歩きにくい道を下り、黒部五郎小舎には2時頃には到着した。

小舎の前はコバイケイソウの大群落。ビールを飲んで暫し景色を楽しみ小舎に入る。ここでも一人一枚の布団で寝られたのは嬉しかった。 縦走を始めて3日目はガスのち曇の天候だった。朝食を食べ4時半には出発しカールコースをとりカール上部コバイケイソウの大群落の中で一休み。そこから黒部五郎肩を経て黒部五郎岳頂上には8時には着いてしまった。ガスで視界きかなかったのは本当に残念だったが長居は無用。

急な下りと意外に長い昇り降りの後、中俣乗越で昼食を取った。そこから赤木岳、北俣岳を正午前後に通過ししばらく行くとハクサンイチゲイワイチョウなどの大群落に出会った。 ここで太郎平を望みつつ休息した後、木道を辿り4時太郎平小屋着した。一人一枚の布団で寝られたのは良かったが、大部屋でいびきの大合唱には参った。

4日目は晴となった。 軽装で小屋を出発し途中で朝食を取るため小休止を取ったが薬師岳頂上には7時前に到着した。立山方面、後立山、鷲羽、水晶、赤牛、槍、穂高、笠、みんな見えて大感激。太郎平小屋に戻って400円のカレー味のカップヌードルを食べ帰路につく。途中、キンコウカの群落を通って正午一寸過ぎに富山県側の登山口折立に着く。そこで体を拭いて着替えタクシーで新穂高駐車場へ戻った。

この縦走はかなりハードなコースであったが、結果的には休憩を含む所要時間でも案内書のコースタイムを下回った区間もありよくやったと言っていいだろう。毎日天気予報に脅かされたにもかかわらず、良い方にはずれ、幸運であった。花期が遅れていたためか、各所で見事なお花畑が見られたのは幸運だった。特に、コバイケイソウの群落が目立った。その他、チングルマハクサンイチゲアオノツガザクラ、キンコウカ、イワイチョウなどの群落が方々にあった。

[観察した花と鳥と蝶] <花>オタカラコウ、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、タカネヤハズハハコ、ミヤマタンポポチシマギキョウエゾシオガマヨツバシオガマイワイチョウ、ミヤマリンドウ、ハクサンシャクナゲミネズオウアオノツガザクラコイワカガミゴゼンタチバナシラネニンジンハクサンフウロミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、チングルマ、イワオトギリ、シナノキンバイハクサンイチゲ、ミヤマカラマツ、イワツメクサコバイケイソウ、ミヤマバイケイソウ、キンコウカ、ニッコウキスゲクロユリ、ヒメサユリ、クルマユリシモツケソウ。<鳥>イワヒバリ(声)、メボソムシクイ(声)、ルリビタキ(声)、ホシガラス(声)、カヤクグリ、ウグイス(声)、ライチョウ親子。<蝶>クジャクチョウ、タカネヒカゲ、アカタテハ、イチモンジチョウ。