34.百名山残り5座となる

笠ヶ岳黒部五郎岳薬師岳縦走を終えた後、未だ登っていなかった比較的近場の会津駒ケ岳(福島県)との至仏山群馬県)を家内の案内で登り百名山の内95座を終えた。残り5座は北海道の幌尻岳羊蹄山利尻山の3山と東北の飯豊山朝日岳となった。やはりスケジュール的に難しいのは北海道の3座である。

北海道には百名山に数えられている山が9座あるがすでに6座は家内の山仲間のベテランご夫婦にお誘いを受け二回に分けて登頂していた。北海道は広いので車で行かないと効率よく回れない。 二回とも誘って下さったご夫妻のRV車で新潟よりフェリーで小樽まで行き比較的短期間で目的の山々を踏破出来たのであったが、今回は家内との二人旅である。残された3座は離れ離れに存在する。幌尻岳日高山脈の最高峰で東部に位置し、羊蹄山は札幌近くでどちらかといえば西にあり、利尻山稚内からフェリーで渡る利尻島にあるから北の方だ。

よほどうまく回る順序を考えないと許された時間内に3山の踏破は難しくなる。もうひとつの問題は天候であった。羊蹄山は多少天気が悪くてもなんとか登山可能であるが残りの二つは悪天候にあったら登山そのものが難しくなる。特に幌尻岳は登山に際して数箇所の渡渉場所があり、登山日に晴れていても大雨が降った後では川の水嵩が高くなり渡渉困難な状態になったり水流が強くなって渡渉するのがすこぶる危険となる。また、登山がうまくいっても上にいる間に雨が降れば下山できなくなり頂上小屋で2〜3日待機せねばならないことすら起こりうる。そんなわけで予備日を考え3ヶ所回るのに全日程で10日以上とったのである。すべてが順調にいって日程があまればいくらでも他に登ってくる山はあるのでそれで調整すればよい。

前2回と違い自分たちのRV車で茨城県の大洗から苫小牧までフェリーに乗ることにした。正午前に大洗港を出航したフェリーは翌朝苫小牧に着く。週間天気予報を見て登る山の順序は幌尻岳羊蹄山利尻山とした。北海道での初日は苫小牧から車を飛ばして襟裳岬まで行き一泊、2日目には早出をして幌尻岳登山口の山小屋まで行き泊まる。ここで以前よく一緒に山行したことがある家内の知り合いにぱったり出会った。数多くの山の中で同じ山に同じ時に登るというのは確率的に珍しいと思ったら家内はその方に過去2回も偶然山中で出くわしたことがあるという。

翌日は快晴となり勇んで早朝幌尻岳へ向かった。途中登山靴を脱いで膝上まで冷たい流れに浸かって川を渡る幾つかの渡渉箇所があったが何とか無事こなし、終に幌尻岳を征服した。大した苦労も無く登れたのは天候に恵まれたのが大きかったと思う。その日の内に車で羊蹄山の麓の宿までたどり着くことが出来た。